最先端の治療法をお教えします。
インプラントについて
歯の役割
歯の最も重要な役割は言うまでもなく噛むことです。
しかし、これ以外に歯には顔の表情を決定するという重要な役割もあることを忘れてはなりません。顔貌、表情、喜びの表現、自然な笑いには歯は大切な役割を果たしています。歯は会話をかわすためにも、美しい表情にも不可欠な要素です。歯はその人のライフスタイルやライフクオリティーに大きく影響しているのです。
歯を失うこと
私達は歳を重ねるにつれ、虫歯や歯肉の病気、あるいは事故などで歯を失うトラブルに見舞われることがあります。奥歯を数本失うより、前歯を1本失うほうが心理的につらいかもしれません。たった1本の歯を失うことで、歯の機能と審美性が崩れ、食事の時や外見上で不都合を感じるようになってしまいます。歯を失ったあなた、すなわち患者はできるだけ簡単で目立たない方法で失った部分を修復することを切望するでしょう。歯を失うということは歯冠だけでなく咬む力を支える歯根までもを失ってしまっているのです。失った歯をもとに戻したいというあなたの願いは、インプラント治療によってかなえられるでしょう。
歯科用インプラント
歯料用インプラントとは天然歯根の代用となる人工歯根のことです。
インプラント本体は外科手術により顎の骨に埋め込みます。埋め込まれたインプラントは、平均6~12週間の治癒期間を経て骨にしっかりと結合します。
インプラントの素材には純チタンが使用されています。純チタンは生体組織によく適合します。骨としっかり結合し、歯肉と密着固定したインプラントは、上部に取り付ける修復歯のしっかりとした土台になります。
新しい治療法と従来の治療法
失った歯の修復法としては、従来はブリッジや取り外し式の部分的な入れ歯、総入れ歯が利用されてきました。しかし、こうした代用物を口の中に確実に
固定させるためには、隣の健康な歯を削らなければならないといった問題がありました。
従来の治療
周りの健康な歯を削って、ブリッジにします。
入れ歯を固定するための針金が見た目にも機能的にも不快です。
入れ歯がズレたり、食べ物が内側に入って痛かったりします。
インプラント治療
健康な歯を全く削ることなく、歯の無い部分にインプラントを入れます。
針金付きの入れ歯ではなく、歯の無い部分に適切な数のインプラントを入れ、固定式の人工歯を取り付けます。
数本のインプラントを入れて入れ歯の固定源となる維持装置を取りつけます。
インプラント治療の利点
インプラント治療は、次のような問題を解決できる利点があります。
- 取り外し式の入れ歯に代わって、固定式の歯を入れることができます。
- 取り外し式の入れ歯の場合でも、インプラント上にしっかりと固定されますので、通常の入れ歯のようなズレはなく、また食べ物のかけら等も入りにくくなります。
- インプラントによる入れ歯なら、天然の歯とほとんど同じ感覚で噛めます。
- 自然な外観や表情を取り戻すことができ、人前で話す事も全く平気です。
- 噛む機能が回復する事で食べ物の制限がなくなり、バランスの良い食事が楽しめ、体を健康に保つだけでなく心までも健康にします 。
インプラント治療のバリエーション
1本だけを失った場合
“失われた1本の歯根の代用品”としてインプラントを1本だけ使って失った歯の部分を修復する方法は、最も洗練された治療方法であり、審美的にも満足のいく結果が得られます。1本のインプラントによってあたかも自分の天然歯のように自然に感じられます。顎骨の“萎縮”の心配もなく、本来の骨格を維持できます。ブリッジを入れる時のように健康な隣りの歯を削る必要がありません。
数本の歯を失った場合
この場合もインプラントが理想的な解決法となります。数本のインプラントを歯の無い部分に入れ、これを土台としてヘッド部にブリッジをかぶせます。
歯のない部分が広い場合
臼歯が失われた場合、従来は取り外し式の部分入れ歯で咬合機能を回復させてきました。
これに対し、インプラントなら天然歯と同様の感覚の“固定式”人工歯を入れることができます。
歯がまったくない場合
下顎の歯が1本も無い場合の修復にはインプラントがよく利用されます。
インプラントのヘッド部をバー状の維持装置で連結し、その上に取り外し式の入れ歯をしっかりと固定することができます。
インプラント治療の流れ
インプラント埋入手術に伴う不自由さに痛みの程度、およびその継続期間は臼歯の抜歯と同じくらいと考えて下さい。埋入手術は局所麻酔下で行います。顎骨を露出し、そこにインプラントを埋入し傷を縫合します。やがてインプラントは周囲の骨と融合し、安定します。インプラントと骨が融合するまでの間、定期的に検診を行い、インプラントの状態をチェックします。約6~24週間でインプラントは周囲の骨と完全に融合されます。その後にヘッド部を装着しますが、ITIインプラントでしたらこの段階での2回目の手術をしなくてすみます。
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step1 診断と治療計画
レントゲンなどによって十分な診断の後、インプラント治療に関する説明をいたします。
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step2 インプラント手術
チタン製の小さなネジのような形状のインプラントを局所麻酔でアゴの骨の中に埋め込みます。
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step3 治療期間
インプラントと骨がしっかりとくっつくまで約6~24週間待ちます。この期間、一般的にはインプラントの上に仮歯をいれておきます。
※骨の状態など、様々な条件により異なります。 -
step4 歯の装着
ITIインプラントなら、ここで人工の歯を取り付けます。手術2回式のインプラントの場合はここでもう一度手術をしてインプラントの頭を出さなければなりません。
インプラント治療の終了後はホームケアが重要です。正しい歯みがきと半年に一度は定期健診を受けましょう。
インプラントQ&A
- インプラント治療に年齢制限はありますか?
- 最低16歳以上(骨の成長がほぼ終了)で、医学的、解剖学的に条件が満たされている限り、どなたでもインプラント治療を受けることができます。年齢の上限はありません。
- 糖尿病でも大丈夫ですか?
- 医師の指導のもとに十分コントロールされていれば大丈夫ですが、状態によってはインプラント手術ができない場合もあります。詳しい病状を担当医にお伝えください。
- 歯槽膿漏でも大丈夫ですか?
- 歯槽膿漏にかかっている方はお口の中の衛生状態の悪い場合が多く、そのままではインプラントを入れることはできません。治療と正しいはみがきを身につけることで歯槽膿漏を直し、それからインプラントを入れます。
- 何本入れればいいのですか?多いほうがいいのですか?
- 抜けた歯一本に対して必ずしも1本インプラントを入れる必要はありません。顎の骨の状態によっては入れることができない場合もあります。
また、インプラントで維持させる床のついた義歯を入れる場合は少ない数のインプラントで大丈夫です。
- 治療期間はどのくらいかかるのですか?
- 一般的に、顎の骨に入れたインプラントが周りの骨と結合するのに、使ったインプラントと人にもよりますが6週間~24週間かかります。その後、上に歯を入れるための期間がかかる場合とすぐに入れることができる場合があります。
- 治療の間、歯がないところはどうしますか?
- 仮歯や仮の入れ歯をいれておきます。見た目にも食事をするにも問題はありません。
- 手術の際には入院が必要ですか?
- ごく限られた特別な場合以外は入院の必要はありません。しかし、普通のインプラント手術でも手術後2~3日は安静にして下さい。
- インプラントはどのくらいもちますか?
- インプラントはチタン製でとても丈夫ですので何か問題が起こらなければ半永久的にお口の中で機能します。しかし、はみがきが十分にできないでインプラントの周りに歯垢がついた状態にしていると天然歯と同様、歯槽膿漏のような状態になり、インプラントの周りの骨がやせてしまってグラグラ動いてしまいます。このようになったインプラントは抜くしか仕方ありません。インプラントを長持ちさせるためには、毎日しっかりとは みがきし、必ず定期健診を受けてチェックと指導をしてもらわなければなりません。
- 治療費はどのくらいかかりますか?
- インプラント治療は自由(自費)診療ですので診察を含め、保険はききません。使用するインプラントの本数や種類、上に装着する人工歯の種類、症例の難易度によって費用は異なります。事前に担当医とよく相談して下さい。
- インプラントの手術は痛いですか?腫れますか?
- 口の中だけの局所麻酔をしてからインプラントを入れますので、ほとんど痛みは感じません。処置時間はだいたい30~120分位です。ただし、麻酔がきれてからは傷口の痛みがまったくないわけではありません。手術後1~2日痛みや腫れが出る場合がありますが通常すぐに治ります。
- 手術後の注意は?
- 1~2日の腫れている間は食事がしづらくなります。また、感染しやすい期間でもあります。食事はかたいものを避け、ジュースやスープなどの流動食や栄養バランスに優れたベビーフードなどを摂って下さい。当日あるいは翌日くらいまでは多少出血が続きますが強くうがいはしないで下さい。また、大きく口をあけたり、笑ったりするのも避けて下さい。薬は指示通りにきちんと服用して下さい。はみがきは手術当日はやめ、その後は先生の指示に従って下さい。
- 治療の成功率はどのくらいですか?
- 成功率を分析するために複数の病院で1003人の患者さんに計2359本のインプラントを入れ、8年間に渡って追跡調査した文献報告では、90%以上がまったく何の問題もなく機能し続けております。
- 以前の自分の歯と同じように噛むことはできますか?
- インプラントは顎の骨としっかりくっついて丈夫な土台となり、りんご、たくあん、せんべい、あわびの造り、するめなどほとんどの物はしっかりと噛めます。以前の自分の歯以上かもしれません。